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フリーカメラマンに本気でなる方法とは

フリーカメラマンに本気でなる方法とは

フリーカメラマンに本気でなる方法とは

「私はフリーカメラマン」名乗るだけならとても簡単です。

私は写真歴10年、2011年にフリーカメラマンとして独立、2014年には写真事務所deltaphotoを立ち上げ、運営している現役のカメラマンです。(現在は法人化しています)

deltaphotoのウェブサイトにはカメラマン募集のページをひっそりと設置しているのですが、広告を出しているわけでもないのにこのページだけで月間5,000アクセスも来ていますし、応募メッセージをもらうことは多いです。

フリーカメラマンになりたい!という人は日々増えているように感じます。

私自身、写真事務所の代表という傍ら、2011年に独立してから今までフリーカメラマンとして日々あらゆる写真撮影をしています。
「フリー」というと自由気ままに仕事をしてるように思われがちですが、実態は撮影以外のことも一人で全てをやらなければならなく、収入も安定しない、なかなかスリリングな日々も経験することも少なくありません。

まず、カメラマンに限ったことではありませんが、フリーランスという職業は叱ってくれる上司がいません。
一度でも失敗するとそのクライアントとは一切の関係が切れてしまいます。
そしてライバルカメラマンは虎視眈々とあなたの座を常に狙い続けています。

この記事ではこれから商業写真をメインとするフリーカメラマンを目指す、フリーカメラマンとして働くために気をつけるべきことを現役カメラマンの考えと共にまとめてみました。
(芸術写真を撮影する「写真家」を目指す場合とは大きく違ってきますのでご注意ください)。

そもそもフリーカメラマン(フリーフォトグラファー)とは

そもそもフリーカメラマンという働き方はどのようなものなのでしょう。

フリーランス(英: freelance)は、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。略してフリーと呼ばれる。企業から請け負った業務を実際に遂行する本人をフリーランサーと呼ぶ。日本語では自由契約(ただし、プロスポーツでの選手契約を更新しないことを指す「自由契約」が有名なため、フリーランスを指して自由契約と呼ぶことはほとんどない)。一般的な職業分類では個人事業主や自由業に該当する。

「フリーランス - Wikipedia」より


会社組織・働き先にとらわれず、法人・個人問わず自分でクライアントを開拓し、仕事を受けをっていくスタイルの働き方です。

フリーランスのメリットとしては

  • クライアント・撮影ジャンルを選べる自由
  • 時間の自由(休もうと思えば休めるが、休んだ分だけ収入は減る)
  • 場所の自由(撮影案件があれば東京でも関西でも、海外でも働ける)
  • 収入増加(の可能性)
  • 成長できる
  • 刺激が多い

デメリットは

  • 収入が不安定
  • 仕事がなければ無収入
  • クライアント未払いリスク
  • 本業以外の仕事も多い(見積書・請求書などの書類作成、営業、確定申告など)
  • 「保証」は何一つない(「数週間仕事がない」ことも。福利厚生もない)
  • ボーナスがない
  • 親身に相談できる上司はいない
  • 社会的信用の低さ(ローンを組んだりクレジットカードの契約など独立直後は契約しにくくなる)

デメリットのほうが増えてしまいましたが、それらは頑張り次第で解決できます。
「働けば働くほど収入が増える」と言われるフリーランスですが、単価の良い仕事をきちんと取り続ければ、正社員時代の収入を越すこともできます。
しかし、「安すぎる仕事」も大量に溢れているので注意することが必要です。

クライアントによっては納品をしたのに支払わない会社もあります。
最初から払わないつもりでコンタクトを取ってくるようなクライアントがいたとしても、個人で請け負っていると仕事をする前に悪意を持っているかどうかを判断するのは至難の業です。
私の経験上、このような会社の被害に遭ったこともありますし、撮影・納品後に倒産してしまった会社もありました。私自身はこれらの未払いに関して泣き寝入りをするしかありませんでした。

また、「うるさい上司」はいなくなりますが「面倒見の良い上司」もいなくなります。撮影技術はもとより、あらゆることを学び続けようとしなければ成長することはできません。

とはいえ、会社に縛られることはなく多くの人との付き合いを広げられるというメリットがあります。

フリーカメラマンに向いている人・向いていない人

では、フリーカメラマンという働き方に向いている人はどうでしょう。

フリーカメラマンに向いている人

  • 一人で働く覚悟がある
  • 仕事が好き
  • 自分で考え・行動する力がある
  • 柔軟性がある
  • フットワークが軽い
  • 向上心がある・勉強熱心
  • 人と話すのが好き(営業力)

いちばん大切なのは向上心がありフットワークが軽いことです。

2000年以降プロの撮影現場撮影機材がだんだんとデジタルカメラになり始めるとともに、デジタル化に対応できなかったフィルム世代のカメラマンはそれからじわじわと姿を消しました。
「デジタル写真なんて写真じゃない」と言わんばかりに拒否反応を示していたカメラマンも多かったようです。

今でも日々新しい技術や、媒体が紙からウェブになることにつれ、写真のトレンドも変化しつつあります。例えば雑誌が主流の以前はできるだけF値(絞り値)を絞り込んでほしいと言われることが多かったですが、今では明るいレンズで背景をぼかしてほしいと言われることが増えてきました。
写真の処理についても、フィルム調のような色合いにPhotoshopで加工する技術も必要とされてきています。

また、カメラマンはスタジオ勤務でない限り様々なロケ地に赴き、被写体を追いかける職業です。
例えば「来週から海外行って」「明日から北海道に行って」とクライアントに言われても、スケジュールが許すのであれば対応できる行動力とフットワーク軽く対応できたほうが印象は良いでしょうし、私はスケジュールが空いていれば国内・海外問わずどこのロケ地であっても対応するようにしています。

日々勉強もしなければなりません。デジタル化したカメラの技術は、日々新しい技術が開発されています。

フリーランスだと仕事の量に波があることは多いですが、仕事がない時期にも勉強や作品撮り、営業を積極的にこなすことも大切です。
クリエイティブな世界では常にアンテナを張り、「感性」を磨く必要があります。

フリーカメラマンに向いていない人

  • 自分の今の仕事に満足する人
  • 威張る人
  • その場の空気を乱す人(その場で求められている対応ができない人)

自分の仕事に「満足」したら成長は止まりますし、撮影現場の「良い空気感」を作れるカメラマンは「良い表情・良い写真」を作り出すカメラマンです。

クライアントをヨイショするという意味ではなく、良い写真を撮るために必要な技術のひとつです。

自分のギャランティを決めよう(収入・年収)

一口に「撮影」と言ってもいろいろな分野のものがある
一口に「撮影」と言ってもいろいろな分野のものがあります

ギャランティを決めるのもカメラマン自身です。
もしあなたが駆け出しであれば、最初は安いギャラで多くの経験値と実績を積み重ね、ステップアップしていくという手法も良いでしょう。ポートフォリオ(作品)が少ないカメラマンに大きな金額の撮影依頼はクライアントもしにくいのです。

例えば一日拘束のギャラを3万円+交通費とすると、年間労働日数250日として、年商750万円。
これらからカメラ機材の購入費や修繕費といった経費を抜いた額が年収となります。勿論もっと働く人もいます。

値上げすることも簡単ですが、撮影スキルががギャラに見合わないと判断されたら、仕事をもらうことはできません。

クライアントの提示するギャラが(とてつもなく)安い…どうすれば

「スタートアップだからまだギャラが少ししか出せないけど、大きくなったらギャラアップするから」というクライアントはまずギャラを上げることはありません。

ただし、そのクライアントの撮影が自分の経歴や糧として良いものとなるのであれば、割り切って付き合うというのも一つの手ではあります。

例えば、撮影した写真を自身の作品として使っていいかを事前に確認した上で、「ギャラは安いけれど作品を撮りをしている」というイメージです。

もしそのギャランティに対して「いつかもっと貰えるから…」という淡い期待を持っていたとしたら、それは間違いです。
安いギャラで長く働き続けたあなたは、そのクライアントからとっては「安く動いてくれるカメラマン」になってしまうでしょう。

そして、クライアントがもし撮影予算を確保できたら、「もっといいカメラマン」を探し始めることでしょう。

ギャラの安いクライアントが言う「仕事を紹介してあげるから安くして」

安い仕事の周りには、安い仕事が転がっています。
「やりがい」がある場合もあるかもしれませんが、「やりがい」とカメラマンとして食べていけるかは別問題です。
クライアントの間では「安くていいフリーカメラマン」として情報が共有されていることでしょう。

フリーカメラマンは二極化の一途

名乗るだけなら簡単なのですが…
名乗るだけなら簡単なのですが…

一本100万円以上の撮影をこなすような一部のスーパーカメラマンは極端な話、黙っていてもクライアントからオファーが来るでしょう。それに仕事を管理してくれるマネージャーがついている事が多い。
しかし、そうなるまでには類稀なるセンスとタレント性、政治力が必要になります。

カメラマンになるには資格もいらないですし、「明日からフリーカメラマン」を名乗れば、誰にもカメラマンを名乗れる時代になりました。

大衆化したテクノロジーには、お金がかけられなくなるのが世の常です。

デジタルカメラが進化し、「カメラ任せ」でも「ある程度撮れる」と思われるようになった今、「だったら自分たちで撮ればいい」と考えるクライアントも増えてきました(あくまでも画質や画素数が機械的に上がっているだけで、影響力を持つ資産としての写真が撮れるわけではありません)。

そのような状況の中で「お金を出して私に発注したら、もっといいものが出来ますよ!結果としてギャラ以上の影響力を持つものを生み出せます!」と言葉と成果で説得する必要があります。

近年は、以前よりカメラマンの生き残り戦争が激化しています。

ただ一点勘違いされやすいのは、

「カメラマンとして名乗る」と
「カメラマンを生業とする」

は、全く違う意味です。

「カメラマンを名乗る」とカメラマンとして世間に認められるのは雲泥の差です。
名刺に「フリーカメラマン」と書いているのと、写真の仕事だけで食べていけるのは別だからです。
カメラ一本で生活が出来なければ「プロフェッショナル」とは呼べないでしょう。

そのため大きな撮影をするカメラマンがいる一方、「薄利多売」を売りとしている(しかない)「カメラマン」たちもいるわけです。

売れっ子フリーカメラマンの収入は年収1,000万を(軽く)超える

フリーカメラマンの収入は、人によって非常に差があります。
「売れっ子」と呼ばれる人たちは一本の撮影を20~30万円で請け負い、それを年間何本もこなしています。
一度の撮影のギャラがもう一桁上のカメラマンもいます。
一方、一日拘束で1万円というカメラマンもいます。交通費込みの場合もあります。

特定の企業に、正社員として雇われる「社カメ(社員カメラマン)」という雇用形態もあります。
社カメに関しては詳しく知らないので、正社員雇用のカメラマンの求人情報を検索してみると、推定年収200〜300万円台の求人が多く見受けられます。

カメラのメンテナンス費や機材の買い替えなどで何かと経費がかかる仕事ですので、フリーランスとして「収入」を考える際にはこれらの経費も念頭に計算しなければなりません。
また正社員であっても、まれに「カメラは自分のものを持ち込み、修理費もカメラマン負担」という場合があります。

実は私も短い正社員時代、仕事でしか使っていないカメラの修理代金をポケットマネーで対応していました。

カメラを勉強するためには

カメラマンになるための王道は以下の4パターンです。

写真の専門学校や写真を学べる大学(芸大)に通う

写真の専門学校・大学で学習するケース。卒業後そのままストレートでカメラマンになる場合は少なく、「スタジオマン」や「師匠のアシスタント」に付く場合も多いです。

スタジオマンになる

主に写真学校を卒業してスタジオマンとなる場合が多いです。

スタジオ撮影のライティングセットやアシスタントなどを主にこなす。
大きなスタジオほど一流カメラマンのライティングや撮影技法を間近でみることができます。
スタジオによっては住み込みということもあり、就職後およそ2〜3年で退職してカメラマンになるか師匠の「直アシ」となることが多いです。

師匠のアシスタントにつく

自分が撮影したいジャンルで活躍している個人のカメラマンに直接アシスタントとして付くことで、プロの技を見て盗むことができます。
師匠にもよるが、撮影した生データ(レタッチなど修正を入れていないもの)を触らせてもらったり、ライティングのテクニックを間近に見れることはとても大きなポイント。

独立後、クライアントを紹介してくれる師匠もいる。(全員ではありません。師匠選びは大切です)

独学で学ぶ

写真学校やスタジオマン、アシスタントを経験することなく、独学で学んでカメラマンになる人もいます。
カメラに関するあらゆるテクニックに関する情報が書籍やインターネットで簡単に手に入るようになったためです。

クライアントとのコミュニケーションやモデルとのコミュニケーション、細かなライティングなどは机上で学べないものも多いです。
ただ、後述のように今では動画サイトで撮影メイキングの様子を見ることが出来るので、独学でも基礎的なことはほとんど学べるように思います。

余談ですが…私の場合

フリーカメラマン イメージ
必ず「写真学校に通わなければいけない!」ということはない。ただ、写真学校で出会う「横のつながり」は何にも代えがたい

余談なのですが、私は写真学校に通ったことも師匠についたこともありません。
一般的な四年制大学卒です。
ただ、放課後は毎日うん百、うん千という写真を撮影していました。
ちなみに「写真部」にも入ったこともありませんし、一眼レフを手にしたのは高校3年生の受験が終わってからでした。

初めてカメラを手にした当時は、構図の決め方はもちろん、「絞り」「シャッタースピード」という言葉すら知りませんでした。
そこから、書籍やインターネットで基礎的な技術を頭に叩き込んだのです。

カメラを手にした2005年、報道カメラマン志望だった私はすぐにカメラを持って、スナップ撮影を中心にこなしていました。
催し物などを撮影しに行くと、大手新聞社や通信社の写真記者が来ていることがあります。

そのときにはここぞとばかりにカメラマンの動きを常に見て、翌日新聞に掲載される写真を各紙集めて、当時の自分になかった視点、新たな着眼点に気づくよう努めました。

カメラを手にしてから3ヶ月後、バングラデシュに写真を撮りに一ヶ月行ったこともありました

言葉の通じない人たちとのコミュニケーションの「いろは」はそこで学んだような気がします。
「シャッターを押した数ほど上手くなる」という言葉があるように、カメラを手にしてからは毎日欠かさず撮影し、他のカメラマンの写真で、自分の撮り方に足りないものを一つずつ反省していく作業を何度も何度も繰り返したのです。

ライティング(照明)に関しては、撮影現場で仲良くなった報道カメラマンとの雑談でおすすめの機材などの情報を集め、インタビュー撮影時やポートレート撮影時に見様見真似でライティングして撮影するようになりました。

当時はまだYoutubeなどの動画サイトなどは一般的ではありませんでしたが、当時はたまにテレビなどでCMなど映像制作や写真撮影のメイキング映像を確認することができます。

それらの映像の中で、ライティング(照明)のセットが一瞬映り込むことがあります。
コマ送りにし、そのセッティングを見て勉強するのです。
一流カメラマンのライティングを見れるということはものすごく価値があります。

今ではYoutubeなどの動画サイトで「撮影 メイキング」「カメラ ライティング」などを検索すると、参考になる映像が大量に出てきます。

写真を撮り、撮った写真の発表を続けているとじわじわと「写真を撮ってくれないか」と声がかけるようになりました。
それからは社員カメラマンとなったこともありましたが、2011年2月に独立します。(晴れてフリーランスカメラマンになりました。ちなみに退社の理由はあまりにも撮影案件が少なく退屈だったからです)

独立後は雑誌社やムック誌を発行する出版社から紹介で仕事をもらえるようになり、今では報道のみならずポートレートやスタジオ撮影など様々対応しています。これらはすべて、独学で覚えていきました。

 

撮影機材を揃える

「機材がないから」で仕事を逃すのは、あまりにも惜しい。
「機材がないから」で仕事を逃すのは、あまりにも惜しい。

私がカメラマンを目指したとき、まずは機材を揃えるところからはじめました。
当時、カメラを一台も持っていなかったのですから。

一番初めて手にしたのは「CANON EOS 20D」という820万画素のデジタル一眼レフカメラでした。
少しずつカメラの仕事などでお金をため、生活費を除いた全てはカメラ機材に投入していきました。

数年でそのカメラを使い潰すと、それからはフラグシップモデル一筋となりました。
勿論新品のフラグシップモデルは到底買えないので、型落ちの中古を探し続けていました。
使うとわかるのですが、フラグシップモデルとそれ以外のモデルだと使用感が全く違います。

「一番良い」とされるカメラを手にすることで、撮れなかったときに機材のせいとすることができません。それに、多くの撮影をこなすためには堅牢性が必要だったからです。
「CANON EOS 20D」二台のあとは「CANON EOS-1D Mark II」を二台(中古)、その後「Nikon D3」二台(中古)、「Nikon D4」二台(新品)と変化していきます。
勿論それと同時にF2.8通しのズームレンズや単焦点レンズ、クリップオンストロボやモノブロックストロボなどを揃えていきます。
その後、Nikon D4、Hasselblad H5D-40、Fujifilm X-Pro2などを経由し、その後はα7R IV、α7 IIIちメーカーをSONYに鞍替えし、またキヤノンに戻りました。今のメインマシンはEOS R6です。(余談ですがフラグシップモデルを使用しなくなった理由は報道やスポーツ、ライブといった取材撮影をほとんどしなくなったためです)

ちなみに二台ずつ用意していた理由は、現場で機材トラブルを起こしてしまったときに備えての「予備機」です。トラブルが起きない限りカメラバッグから出しません。

機材を最優先するのは非常に大切なことです。

クライアントの立場で考えると、カメラマンに撮影をしたいとき、例えば「背景をぼかした写真を撮ってほしい」と考えたとき、F値の暗いレンズしか持っていなければ、そのカメラマンにはお願いできませんし、インタビュー撮影なのにライティング機材を持っていないカメラマンには頼めません。
カメラマンは「レンタルすればいい」と考えるかもしれません。

しかし「レンタルするくらいならば、持っているカメラマンに」と多くのクライアントは考えます。
撮影を逃すということは、他のカメラマンにその後の案件もとられてしまうという危険性を伴っています。

現在使用中のカメラの一部。写真には写っていないが、モノブロックや各種アクセサリーなども。
現在使用中のカメラの一部。写真には写っていないが、モノブロックや各種アクセサリーなども。

私は、フリーカメラマンとして紙媒体の撮影をするようになっていた頃、新たにコンサートの撮影が増えていました。
当時取材でコンサートに行くとなると、カメラマンエリアは随分遠くからになってしまって、超望遠レンズが必要だったのです。
勿論毎回レンタルすることも出来ましたが、雑誌取材のオファーというのはかねがね急に来るものです。
ですので、当時最新型だった超望遠レンズ「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR」を購入しました。
100万円のレンズでした。

機材というのはすべてが「投資」であり「資産」です。

「そのレンズで100万円の稼ぎがあったのか」と問われると少々疑問はありますが、クライアントからあらゆる撮影に対応できる「安心できるカメラマン」と思われたのが、その後の継続した関係につながっていると考えると100万円を超える利益をもたらしてくれたでしょう(その後超望遠レンズを使うことががなくなったので、半額の50万円でレンズは売りました)。

単焦点レンズ or 明るいズームレンズのどちらを買うべきか

両方買いましょう。

先ほど述べた通り、機材がなければ話は進みません。
ズ ームレンズと単焦点は別の役割をするレンズです。

ただし、優先順位としては私はズームレンズを先に揃えましたが、自分がどのような撮影をメインとするかによって変わってくるでしょう。

ポートフォリオを作る

営業先のクライアントに見せるための作品集の用意は必須です。

自分がどのような写真を撮れるのかを営業で見せるための作品集を作りましょう。

「なんでも撮れます!だから仕事をください!」なんて営業で言うよりも、きちんと撮影してきた過去の作品やクライアント、経歴をひとつ作品集としてわかる形として提示するほうが、何倍も効果的です。

フォトブックのような形で営業で持っていくのが王道でしたが、

  • オンラインポートフォリオ(カメラマンのウェブサイト)
  • タブレットやノートパソコンなどに写真を入れて。

という形で過去の写真を見せるカメラマンも増えてきました。

deltaphotoにカメラマンとして応募してくる人たちの多くは、オンライン上やiPadなどのデバイスに写真を入れて持ってくるパターンと紙焼きは半々の割合です。
私は個人的に事前にウェブ上のポートフォリオを見せてもらっていた上で、当日iPadなどのデバイス上で写真を見れると非常に嬉しく思います。

オンラインポートフォリオも十分にカメラマンの営業に使える。
オンラインポートフォリオも十分にカメラマンの営業に使える。

ちなみに私の個人ポートフォリオサイトはこちら
特に案内をしていなくても「個人サイト、見ましたよ」と言われることもあるので、作っておいて損はない。

こちらのポートフォリオサイトは以前は4ormatと呼ばれるサービスを使い、現状サイトはPortfolioboxというサービスを使用しています。

売れっ子カメラマンは連絡をマメにする

「マメな連絡」はとても大切。

とある有名なカメラマンのアシスタントさんに聞いた話です。

写真業界では知らない人がいないそのカメラマンは、撮影の時以外は飛行機の中でも常にクライアント向けのメールを書いているようです(着陸後にたまったメールを一斉送信するのだとか)。
一流のカメラマンですら、連絡をマメにしています。

もちろん「あなたでなければ撮れない案件なので、スケジュールはカメラマンさんに任せますし、お時間のある時に連絡ください」と言われることはあるでしょう。

しかしこれは大物カメラマンでない以上稀な話で、実際はクライアントの納期やコンセプトが決まり、それのスケジュールに合うカメラマン何人かに(時間的な差はあるにしても)に連絡をする、という流れが一般的です。
そうなるといくらいいカメラマンでも、急ぎの撮影で連絡がつかなければ、すぐに撮影の話は飛んでしまいます。
私の経験では、不在着信5分後に電話を掛け直したらすでに他のカメラマンが決まっていた…なんてこともありました。
「5分」は極端な例かもしれませんが、実際にクライアントの中ではそのようなことが行われています。

メール、SMS、LINE、電話はすぐ返す、が基本です。そして「明日空いていますか」の電話にすぐ応えられるよう、自分のスケジュールは常に確認できる状態でいることも必要です。

撮影中の「提案力」を鍛える

ただ言われたものを撮るのがカメラマンではありません。

  • 「こんな撮り方をすれば、こんな印象になります」
  • 「世界観を合わせるならば、こちらのほうが良いのでは」

などと提案する力が必要です。

なぜ自分に仕事が来たかを考える

クライアント側の気持ちを考える。

クライアントが今までのカメラマンではなく、新規のカメラマンに発注を考えるときの理由は主に以下の点からでしょう。

  • 予算が変わった(主に安く)。
  • たまたまいつものカメラマンのスケジュールが合わなかった。
  • 担当者が変わった(撮影の仕方なども一新したい)。
  • 今までのカメラマンのクオリティに疑問があった。
  • より良い写真を撮りたかった。

「予算が変わった」という理由は案外多いです。大抵の場合はその予算は減っています。

もちろん仕事ですので受けたからにはきちんとした写真を撮らなければなりませんが、そのクライアントは金輪際ギャランティを上げることはないでしょう。
下げることはあっても。

勿論ポートフォリオを見て、「より良い写真を撮りたい」と思って連絡が来るクライアントであれば、全力を出し、時に事前に練習をして挑むなどして「新たなカメラマン」として今後発注され続けるようになるような結果を出すための努力は欠かせません。

仕事を断るとき

「受けたい仕事があるのに、スケジュールが合わない!」
クライアントの仕事を断るしかないときは非常に重要です。
必ず

  • 「他の撮影が入ってしまっている」
  • 「ロケで地方に出ている」
  • 「友人の結婚式に出席しないと…」

と理由を必ず添えることです。

クライアントに

「この人は仕事を選んでいるんだろうか?」

というあらぬ疑いをされてしまうリスクを回避するためにです。
実際に案件によって選んでいたとしてもそれを察されないように立ち回ることが大切です。

信用第一

撮影現場に遅刻をしない、先にスケジュールを入れた案件を必ず優先する、約束を守る。

基本ですがいちばん大切なことです。

Author

この記事を書いた人

1987年広島生まれ。

プロカメラマンマッチングサービス「TOTTA」や写真撮影・動画撮影サービス「deltaphoto」を手掛けるカメラマン。キヤノンユーザ。ビジネス撮影で日本全国出張撮影しています。

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